フリーランス・SE/プログラマってどうなの?食っていけるの?

先日の首都圏コンピュータ(以下、MCEA)さんの懇親会の後、とある参加者の方から、

小林さんのサイトとか見て、”フリーもいいな”と思ったんっすよ。」

と声を掛けていただきまして。

ありがたいやら、恥ずかしいやら・・・。

ネットの広告効果(?)がジワジワと浸透してきているようで、いろいろと責任を感じますね。

そんなワタシも、フリーランス・プログラマとして独立して、早3年半。

この辺で、一度まとめエントリを書くのもいいのかな、と。

こんな景気の悪い世の中ですから、

「あ゛ー、会社辞めてぇ・・・。ぶっちゃけ、フリーってどうなの?」

と興味津々の方もいるかもしれません。

そんな方々が早まった行動(?)を起こす前に、参考にしていただければ、と思います。

一般論というよりは、ワタシの実体験を元にお話します。

なので、了見の狭い見解もあると思いますが、ご了承ください。

(地方プログラマの独り言です。)

# 今日のは長いですよ!

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Q1: フリーのIT土方って、派遣とどう違うの?

註)ここで言うIT土方とは、SI案件に下請けとして参入し、現場に常駐するIT技術者のことを指します。

現場に入ってしまえば、やることは一緒なんですけどね。

一番の違いは、”フリーランス=自営業”だということでしょうか。

つまり、”自己責任の世界”です。

Q2: リスク対策はどうしてる?

ここで言うリスクは、お金のこと、として話します。

ワタシの場合は、MCEAさんの共済会に入ってます。

これで、病気、けがで働けないときも補填されます。

(月額は、掛け金によります。)

でも、”案件の契約が満了しましたぁー。”等、単に仕事が切れた場合は、共済ではまかなえません。

なので、就業期間中も、自己アピールとして、ブログ等で情報発信したりしてます。

(次の仕事が見つかりやすいよう・・・打率は低いですがw。)

貯蓄は、嫁さん任せなので、よくわかりません。

Q3: ちゃんと家族を養える?

仕事が切れないようにすれば。

うちも、子供二人いますが、今のところ、普通に暮らせてます。残業もほぼゼロですし。

ただ、リスク分散として、奥さんと共働きできるなら、それにこしたことはないですけど。

じゃあ、どうやって仕事を切れないようにするか?

一つは、”どこでも渡り歩ける適応力をつける”こと。

もう一つは、”これっ”という相性の良いお客様と出会ったら、信頼をガッチリ掴むこと。

ただし、前者の場合、へたをすると、火事場ばかりを渡り歩く「トラブル請負人(ファイヤーマン)」のスパイラルに陥ってしまう可能性があります。

正直、そんな生活を続けていては、自分だけじゃなく、家族も疲弊してしまいます。

なので、できればどこかのタイミングで、後者のような、お客様の”懐刀”として足場を固めると、しばらくは安定収入が見込めると思います。(これが長すぎると、”SEの塩漬け”と呼ばれたりしますが・・・。一長一短です。)

若いうちは、新しい案件、刺激的な案件を求めるのも大いに結構ですし、泥のように働く経験も必要ですが、家庭との両立を考える上では、上記のような点を考慮したほうが良いでしょう。

Q4: 女性技術者もいるの?

これも、IT土方を前提にしますね。

女性でフリーで活躍されている方もいらっしゃるようです。

もちろん、MCEAさんに登録しているパートナーさんにも女性はいらっしゃいます。

詳しく話したことがないので、苦労話とかはわかりません。

が、SI案件にフリーの女性が参入する場合って、リピート受注、つまり、過去にそこの顧客の別案件に参入していた方が、再びお呼びがかかる、というケースが多いような気がします。

これは、前述した、”お客様の信頼を得た”ということなのだと思います。

ワタシ、会社員時代に、相当数の新入社員を見てきました。

その経験からの感想ですが、フリーに限らず、女性のプログラマのほうが、若いころからしっかりした方が多かったような気がします。

”1を言うと5~10返ってくる”みたいなアタマの回転の速い人がザラでした。

なので、プロジェクトとしても、ほしい人材だと思うんです。

リピートが多いってことは、そういうことなのかな、と。

ただ、結婚、出産後は、フルタイムで働くのは厳しい、という方も多いと思います。

そういう方々の受け皿っていうのが、まだ少ないんじゃないかなぁ、と感じます。(実際どうなのかはわかりません。この辺は、ワタシの半径3メートルの話だと思ってください。)

Q5: ぶっちゃけ、手取りは増える?

これは一概には言えませんが、ワタシの場合はトントンか、若干増くらい。

まぁ、もともと(2ch界隈で)ブラックと言われるところに在籍していましたので(実際はそうでもなかったような)、それに比べれば、ということです。

なので、現在、大企業(一次請け)に所属している方は、独立したら下がることも覚悟しておいたほうが良いかと。

(コンサルは別。IT土方になったら、の話です。)

いずれにしても、値段は”案件”についているのであって、”個人”に付いてるわけではありません。

「ワタシは単価○○円以上の仕事しか請けません。」と突っ張るのも結構ですが、お客様も”無い袖は振れない”場合もあります。

そんな時は、(低い単金でも請けるか否か、の)戦略的判断が迫られている、と認識すべきかと。(すなわち、自己責任。”マッチョ”っていうの?)

どうしても折り合いが付かなければ、断る勇気も必要です。

”この仕事だったらナンボ”っていう相場感というか、自分なりの基準は持っておいたほうがいいです。(首都圏と地方との格差もありますので。)

Q6: 将来の不安は?

ありますねー。

国民年金は、払ってますよ。

でも、自衛手段として、別の蓄えもしておかないと、とは思ってます。

あと、笑われるかもしれませんが、ワタシ”定年退職”って考えられないんですね。

じいさんになっても、何かしら商売していたい、と。

ITに関わるかもしれないし、関わらないかもしれない。

これは、幼いころに、ばあちゃんが(田舎の)雑貨屋やってたのを見て育ったせいかもしれません。

実現性は、まだ”夢”のレベルですが・・・。

Q7: フリーになってよかったことは?

人生の主導権を握れた、という実感はあります。

ワタシの場合、そもそもプログラマだけでは収まらない欲求がありましたので、仕事として、音楽やデザイン等の芸術分野(?)にも足を踏み入れたい、という構想を形にする第一歩を踏み出せたのが、大いにプラスです。

自分から発信したい、なにか起こしたい、というものを持っている方は、フリーに向いているのかな、と。

あと、子育てを優先したい方も。

何が家族のためなのか、ということでしょうか。

仕事が忙しい時も、「ここはがんばり時!」と、腹をくくれる(=やらされ感が無い)ので、精神衛生上も良いかもしれません。

Q8: フリーになって悪かったことは?

要は、上記の逆です。

会社っていう後ろ盾が無いですから、責任をどっと背負います。

もしかしたら、明日から仕事が無くなるかもしれない、という恐怖と常に背中合わせだったりします。

まぁ、”自営でだめだったら、また就職すればいいか”、くらいに開き直ることもよくあります。

じゃないと、寝れなくなるのでw。

いじょっ!

ここまで読破していただいた方、おつかれさまでした。

良くも悪くも、いちサンプルとして、参考にしていただければ、幸いです。

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